高い (偏性)好気性 微好気性 通性通気性 偏性嫌気性 低い
細菌はその種類によって増殖に必要な酸素量が異なります。例えば、好気性菌は酸素が大量になければ増殖できませんが、偏性嫌気性菌では逆に酸素があると増殖を阻害されてしまいます。上の図では二者の間に微好気性と通性嫌気性が存在しますが、微好気性菌は酸素濃度が3~15%程度の環境下で増殖可能な菌であり、通性嫌気性菌は酸素があってもなくても増殖することができます。
なお、ここでいう酸素というのは食品中の遊離酸素のことであり、細菌は他の食品成分と結合していない状態の酸素のみを使用することができます。これを遊離酸素といいます。
それぞれの分類に代表される菌 | |
・ 好気性菌 | : 緑膿菌、放線菌、枯草菌など |
・ 微好気性菌 | : カンピロバクターなど |
・ 通性嫌気性菌 | : サルモネラ菌、腸炎ビブリオなど |
・ 偏性嫌気性 | : ウェルシュ菌、ボツリヌス菌、ビフィズス菌など |
球菌(coccus)、桿菌(bacillus, rod)、らせん菌(spirillum)の三種類に分けられます
球菌 球状の菌で、鎖のように連なっているものや黄色ブドウ球菌のように不規則に寄り集まっているものもあります。 桿菌 ソーセージのような形状をしており、短いもの(短桿菌)や長いもの(長桿菌)があります。大腸菌はこの形をしています。 らせん菌 桿状でらせん形をしています。食中毒菌の中ではカンピロバクターが有名です。
細菌の同定を行う際に判断基準となる検査には様々なものがありますが、中でも細菌の染色はその菌の形態を見るのに非常に有効です。
中でも最もポピュラーに用いられる染色法がグラム染色法であり、その結果の陰性、陽性で細菌の種類は大きく二分されます。
グラム染色では、赤色と青紫色の二種類の染色液を使用しますが、この時、青紫色に染まる菌をグラム陽性菌、赤色に染まる菌をグラム陰性菌といいます。
例:黄色ブドウ球菌(グラム陽性球菌)と大腸菌(グラム陰性桿菌)の染色
1.青紫色の染色液を使用 グラム陰性菌、陽性菌ともに青紫色に染色されます。 2.脱色剤の使用 細胞壁の厚いグラム陽性菌には色素が残り、陰性菌は細胞壁が薄いため色素が脱色されます。 赤色の染色液を使用 脱色されている陰性菌のみ赤色に染色され、染め分けることができました。
細菌の中には、生存の危機に陥ったときに自身の形態を変化させるものがいます。
一般に、グラム陽性桿菌であるバチルスやクロストリジウムなどにみられる現象で、これらの細菌はこの性質を利用して乾燥や栄養成分の不足、あるいは熱や消毒剤から身を守っています。
特に、芽胞になった際は熱耐性が非常に強まりますので、煮沸した程度では死滅させることができない場合もあります。
芽胞形成中は菌は非常に死滅しにくくなりますが、増殖はしません。しかし、細菌にとっての危機が去ると、芽胞となっていた菌は再び元の形態へと戻り、増殖を始めます。
ウェルシュ菌やセレウス菌など耐熱菌といわれる細菌の多くは芽胞を形成します。
1. 生活環境が良い状態なので、増殖できます。 2. 生活環境の悪化により、細胞内に芽胞が形成されます。3. 菌体部分が死滅し、芽胞が単独で生き残ります。4. 生活環境が改善されると芽胞は発芽し、この芽が元と同じ細胞に成長します。
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