検査事例のご紹介

商品の腐敗や変敗など微生物が原因による異臭ではなく、また、食品(商品)由来の臭いではない異臭の原因を究明したい場合には、「臭気分析」をご提案しています。

結果コメントに加え、検出された成分の用途などの参考情報もご提出します。

商品の異臭クレームによる臭気分析

臭気分析とは?

クレーム商品の異臭の原因究明にご利用頂けます!

異臭クレームのあった商品の臭気成分や、保存の際に商品に移行した臭気成分の絞り込み、経過時間による香気成分の変化の確認等ができる検査です。

クレーム品と正常品の揮発成分の違いにより、結果を判断します。

事例)フリーズドライスープの容器から食材への臭気成分の移行例

検査実施の背景

お客様が保存していたカップめんに湯を加えて食した際に、異臭がするとのクレームがあったため、臭気分析を実施したところ、容器に入れて湯で戻した状態のめんから、容器から検出されたものと同じ臭気成分が検出されました。

そこで、今回は模擬サンプルを使って同様の分析を実施しましたので、ご紹介します。

臭気分析の試験内容

試験方法:

検体を密閉容器に取り、一定温度に加温した後、気相(ヘッドスペース)中の揮発成分をGC/MSにて分析しました。なお、臭気成分の解析については、GC/MSにあらかじめ登録されている標準マススペクトルを用いて自動解析を行いました。

検体:フリーズドライの具入りスープ(市販品)を容器へ入れ、お湯で戻したもの

正常品:フリーズドライの具入りスープそのものをお湯で戻したもの

容器:おでんなどを入れる発砲スチロール容器(市販品)にお湯を加えたもの

臭気分析の検査結果

検体から、正常品では検出されなかったエチルベンゼンとスチレンと推定される臭気成分が検出されました。[図1]

容器の臭気成分を調べたところ、検体と同様にエチルベンゼンとスチレンと推定される臭気成分が検出されました。[図.3]

以上の結果より、検体から検出された成分は、容器に含まれる成分であることが分かりました。

以下のデータ(クロマトグラム)をご参照下さい。

また、検出された成分の「参考情報」も報告書にお付していますので、合わせてご参照下さい。

図1検体のクロマトグラム(フリーズドライの具入りスープを容器へ入れ、お湯で戻したもの)

図2正常品のフリーズドライスープのクロマトグラム(製品)

図3容器のクロマトグラム(市販の発砲スチロール容器)

図1~3のデータを比較すると、正常品には見られなかったエチルベンゼンとスチレンが検体からは検出され、容器のみからは同様の成分がさらに大きく検出されていることが分かります。

参考資料(報告書に添付する資料です。)

エチルベンゼン

特徴:芳香を持つ無色液体。溶剤臭を呈する。

経口摂取の急性症状 : 咳 咽頭痛 めまい 嗜眠 頭痛

用途:スチレンモノマー原料 有機合成原料 溶剤 ラッカーの希釈剤 スチレン原料 塗料 インキ 接着剤用材等

スチレン

特徴:無色~黄色の油状液体 溶剤臭を呈する 

経口摂取の急性症状 : 吐き気 嘔吐

用途:ポリスチレン樹脂原料 合成ゴム原料 合成樹脂原料 ABS樹脂原料 塗料樹脂 原料等

出展:国際化学物質安全性カード 化学物質総合検索システム