食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度について

食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度について

毎日の食事を通じて摂取する農薬等の量がADI(1日許容摂取量)を越えないようにする。

  • 登録にあたり毒性、生体内での分解、環境影響、残留性試験などの評価を実施。
  • 使用対象作物や使用量、使用期間を制限。
  • 使用方法や食品への残留限度(残留基準)を設定。

ポジティブリスト制度

ポジティブリスト とは

・ネガティブリスト
原則規制がない状態で、規制するものについてのみ作成されたリスト。

・ポジティブリスト
原則規制(禁止)された状態で、使用を認めるものについて作成されたリスト。

農薬等のポジティブリスト制度

基準が設定されていない農薬等が一定量以上残留する食品の販売等を原則禁止する制度。

「食品衛生法等の一部を改正する法律」

(平成15年法律第55号、平成15年5月30日公布)

【現行の規制】(平成17年12月現在)

農薬、飼料添加物及び動物用医薬品

食品成分に係わる規格
(残留基準)が定められているもの

250農薬、33動物用医薬品等に残留基準を設定

残留農薬を超えて農薬等が残留する食品の販売などを禁止

食品成分に係わる規格(残留基準)が定められていないもの

農薬等が残留しても原則販売禁止などの規制はない

【ポジティブリストの導入後】(平成18年5月29日現在)

農薬、飼料添加物及び動物用医薬品

食品の成分に係わる規格
(残留基準が定められているもの)

ポジティブリスト精度の施行までに、現行法第11条第1項に基づく基準、国際基準、欧米の基準などを踏まえた基準を暫定的に設定(暫定基準)

農薬取締法に基づく登録等と同等の残留農薬基準設定など残留農薬基準設定の促進

残留基準を超えて農薬等が残留する食品の販売などを禁止

食品の成分に係わる規格(残留基準)が
定められていないもの

人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が一定量を告示(一律基準)

一定量 0.01ppmを超えて農薬等が残留する食品の販売などを禁止

厚生労働大臣が指定する物質

人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものを告示
(特定農薬等)

ポジティブリスト制度の対象外

規制対象

対象物質(農薬等)

  • ・農薬
  • ・動物用医薬品
  • ・飼料添加物

対象食品

  • ・全ての食品(加工食品を含む)

平成17年11月29日厚生労働省告示

○告示第497号 <いわゆる一律基準>
食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれがない量として厚生労働大臣が定める量は、0.01ppmとする。

○告示第498号 <いわゆる対象外物質>
食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれがないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質は、次に掲げる物質とする。

○告示第499号 <いわゆる暫定基準等>
食品衛生法第11条第1項の規定に基づく、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の改正

規制の実施時期

平成18年5月29日から適用

※ (平成17年政令第345号)
食品衛生法等の一部を改正する法律附則第1条第5号
に掲げる規定の施行期日は、平成18年5月29日とする。

一律基準

基準が設定されていない農薬等が一定量以上
残留する食品の販売等を原則禁止する制度。

厚生労働省告示第四百九十七号
食品衛生法第十一条第三項の規定により人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量は0.01ppmとする

一律基準

一律基準の適用

  • ・いずれの農作物等にも残留基準が設定されていない農薬等が農作物等に残留する場合。
  • ・一部の農作物等には残留基準が設定されている農薬等が、当該農薬等に関する基準が設定されていない農作物等に残留する場合。

一律基準の例外?

  • ・JECFA等でADIに基準を設けない農産物等がある物質については、個別に分析法を定め、「不検出」として管理される。
  • ・地方公共団体などによる監視指導に際して用いられる分析法が0.01ppmまでの分析が困難である場合は、各分析法の定量限界に相当すると考えられる値をもって実質的に一律基準値に取って代わる基準を定める。

対象外物質

厚生労働省告示第四百九十八号
食品衛生法第十一条第三項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質。

65物質

亜鉛、アザジラクチン、アスコルビン酸、アスタキサンチン、アスパラギン、β-アポ-8-カロチン酸エチルエステル、アラニン、アリシン、アルギニン、アンモニウム、硫黄、イノシトール、塩素、オレイン酸、カリウム、カルシウム、カルシフェロール、β-カロテン、クエン酸、グリシン、グルタミン、クロレラ抽出物、ケイ素、ケイソウ土、ケイ皮アルデヒド、コバラミン、コリン、シイタケ菌糸体抽出物、重曹、酒石酸、セリン、セレン、ソルビン酸、チアミン、チロシン、鉄、銅、トウガラシ色素、トコフェロール、ナイアシン、ニームオイル、乳酸、尿素、パラフィン、バリウム、バリン、パントテン酸、ビオチン、ヒスチジン、ヒドロキシプロピルデンプン、ピリドキシン、プロピレングリコール、マグネシウム、マシン油、マリーゴールド色素、ミネラルオイル、メチオニン、メナジオン、葉酸、ヨウ素、リボフラビン、レシチン、レチノール、ロイシン、ワックス

対象外物質の考え方

一般に使用されている農薬等及びその農薬等が化学的に変化して生成したもののうち、その残留の状態や程度などから見て、農畜水産物にある程度残留したとしても、人の健康を損なう恐れのないことが明らかであるもの。

  • ・食品安全基本法第11条の規定に基づく食品健康栄養評価により許容一日摂取量(ADI)の設定が不要とされた農薬。
  • ・農薬取締法に規定する特定農薬。
  • ・残留の程度により人の健康を損なわないことが明らかである農薬等。

暫定基準

暫定基準の設定

  • ・全ての食品に不検出 15農薬等
  • ・「暫定基準」を設定743農薬等(全ての食品に不検出と合わせて758農薬等に暫定基準)
  • ・現行基準があり、暫定基準を 設定しなかったもの 41農薬等
  • 合計799農薬等

暫定基準の内訳

・農薬 516
・動物用医薬品 192
・飼料添加物 3
・農薬/動物用医薬品 31
・動物用医薬品/飼料添加物 15
・農薬/飼料添加物 1

暫定基準の設定

既に設定されている残留基準は改正しない。

  • ・科学的根拠に基づき定められている基準等を参考に食品衛生法第11条第1項の規定に基づく食品規格成分として設定。
  • コーデックス基準
  • コーデックス基準がない場合、登録保留基準
  • コーデックス基準及び登録保留基準がない場合、海外基準(USA、カナダ、EU、オーストラリア、NZ)

不検出の設定

  • ・遺伝毒性を有する発がん性物質であるなど、閾値が設定できない農薬等。
  • ・国際機関でADIが設定できないと評価されている農薬等。
  • ・国際機関でADIが0.03μg/kg/day未満とされた農薬等又は既に「不検出」とする基準が基準設定作物等以外の農作物等に設定されている農薬等。

暫定基準の見直し

  • ・暫定基準設定の際に参考とした諸外国の基準等の変更に応じた見直し。
  • ・農薬等摂取量実態調査結果に基づく見直し。
  • ・国際機関でADIが設定できないと評価されたもの。

加工食品の取り扱い


加工食品の暫定基準

・コーデックスに準じて基準を設定
・暫定基準値が設定されていない加工食品。

まず、一律基準をもって判断、個別に違反の蓋然性を検討。
残留基準に適合した原材料を用いて製造/加工されたものは、原則として、販売等を可能とする。
乾燥等の加工を行った食品は水分含量を基に試算した値により原材料での違反の蓋然性を推定するなどの手法を用いる。

適用の経過

適用の経過

  • ・平成18年5月29日から適用。
  • ・平成15年5月28日までに製造され、又は加工された食品については、なお従前の例によることができる。
  • ・「製造され、又は加工された」からは農作物等の生鮮食品は除かれる。
  • ・輸入食品に関しても同様の扱い。輸入された時点は問題としない。